ゼミ生・永井

【Day 7】適応力の向かう未来

連載:マレーシア浮遊記

FullSizeRender


7日目。最終日。

今日は実質、帰国だけ。
ということで、1週間の旅の総括として、一緒に旅してくれた尾林君に今回の旅を振り返って頂きました。

それでは、談話形式で始めたいと思います!


FullSizeRender


永井:とりあえず、1週間、お疲れ!焼けたね笑

尾林:これは元から笑 でも、毎日30度の中、散々歩いたから、余計そうなったね。

永井:1日目とか、駅降りてから2時間くらい歩き通したもんね。


IMG_0795


IMG_0828


尾林:あれはやばかった。しかも今回、計算したら1週間で85km歩いてる 笑

永井:え!そんなに歩いたのか!笑


IMG_0857


永井:まずは今回のマレーシア7日間、振り返ってみてどうでしたか?


尾林:正直、マレーシアにすごく適応できた自信があります 笑


IMG_0926


この一週間、いかにマレーシアに溶け込むかという課題?を持って過ごしました。今回一緒に旅した永井君は、観光に訪れる観光客を観察していたので、自分はそれとは異なった、現地の人の視点に立ってマレーシアを観てみようと思いました。東南アジア自体初めてだったのもあり、まずは生活からマレーシア体験を初めてみました。


IMG_0912


FullSizeRender


初日、安っぽいサンダルを買うことから始まり、マレー料理をひたすら喰らい、日が暮れたら寝る。現地の生活スタイルを真似ることは、その土地に生きる人を理解するには手取り早い手段だと思います。たかだか一週間なので限界はありますが、普段観光客が訪れないような裏路地(危ない)やお店に入ったりすることによって、生のマレーシアを多少なりとも知れたかなと思います。


FullSizeRender


FullSizeRender


来てから2日くらいかな?わりと早い段階で「あれ、俺マレーシアの方が生きやすくね?」って思いました。なんか、身体の半分くらいがマレーシアに染まった気がしたんです。それが、すごく心地いい感じで 笑


IMG_0847


一週間でここまできてしまったのだから、一ヶ月も滞在したらすっかり身も心もマレーシアに染まっていたことでしょう。

ただ一つ言えることは、何年居てもドリアンの匂いは無理そう。あれだけは、生臭いのと腐ってる感じがするので、ちょっと…苦笑


FullSizeRender


永井:ね!笑 ドリアンきつかったね。俺もめっちゃ今、マレーシアの匂い身体についてる気がする 笑  フルーツというか、なんか甘い感じというか。

カレーとかご飯の炒め物とかに、スパイスもすごい色々入ってて、食べてるうちに段々と南国感に染まったよね。俺は、4日目くらいからお腹冷えたりして、ちょっと辛くなったけど笑


IMG_0836


永井:今回の旅で、一番大きかった発見は何ですか?

尾林:時間の感覚がなくなったことかな。日本では大学の授業とか、バイトのシフトとか時間気にしないと生きていけない。マレーシアに来てから、それが無くなった。


IMG_0859


街で時計を見かけることも少なかったように思います。電車やバスの出発時間を知らせる時刻表もなければ電光掲示板もない。確かにスマホを覗けば時間は確認できるのですが、その必要を感じないほど、ゆったりのんびりとした時間を過ごしました。


IMG_0832


永井:マレーシアの9時って、日本の6時くらいに感じたよね。深夜0時も、まだ10時くらいな感じでギャップ感じた。


尾林:夜が長いね。お店とかレストランも深夜2時くらいまで営業してたし。しかも、夜の方がみんな元気。昼間は暑いのもあって、わりとやる気ない 笑


IMG_0902


永井:人種入り乱れてるんだけど何か独特の緩さ?みたいなものをみんな持ってるよね。クアラルンプールだと、インドとかバングラデシュかな?南アジアの国からの移民労働者が大勢来てた。穏やかに1つの国で暮らしてる。


尾林:確かに。日本は単一民族の国だから、いろんな人が同じ国で暮らしてることが新鮮な感じがした。お互いに干渉しすぎず、適度に関わり合っているスタイルが、この国をうまいこと回しているんだなぁと。


FullSizeRender


FullSizeRender


IMG_0904


IMG_0899


IMG_0924


永井:尾林君は中国の文化を研究するゼミにいるけど、何か中国の新しい発見はありましたか?

尾林:やっぱり、春節への対応かな。


FullSizeRender


今年の春節は2月16日ですが、クアラルンプールはどこへ行ってもお祝いムードで準備万端。


FullSizeRender


FullSizeRender


華僑の多いマレーシアなので当たり前と言えば当たり前かも知れませんが、様々な民族が暮らすこの地でそれだけ盛大に一民族の行事を祝えることは素晴らしいなと思いました。お互いの文化の受容が予想以上に進んでいました。しかも、これだけ近代化が進んでることにも驚きました。中国人観光客からしたら、こんなに行きやすい国ないと思います。


FullSizeRender


永井:たしかに、これだけ他国の文化を盛大に祝うのってすごい珍しいよね。日本の銀座とかで中国語対応とかあるけど、マレーシアのとは全然規模も違う。マレーシアの華僑文化が元からある上に、さらに中国本土から観光客が押し寄せてる感じ。


FullSizeRender


FullSizeRender


途中、日本のららぽーとがショッピングモール建設進めてたけど、工事現場で作業してるのは南アジア系の人たちだったね。完成したら買いに来るのは中国人かな。

尾林:それ、なんか今さら感あるよね。爆買いの最盛期って3年くらい前だったし。移民受け入れとかについても、マレーシア見てると全然だしね。


IMG_0928


マレーシアの日本人旅行客も1日で1人か2人は見たけど、みんな身軽で、お金落としていってくれそうな感じじゃなかった。日本企業は、そういうところ、もう少し現地のニーズに対応する必要あるかな。


IMG_0929


永井:今回、マレーシアで中国のパワーは凄いもの感じたけど、日本でももっと中国の影響って出て来るかな?春節をもっと盛大に祝うとか。


FullSizeRender


尾林:これから来そうなのは、電子マネーかな。アリペイみたいな。今の時代スマホ持ってる人がほとんどだから、確かに便利だと思う。中国は電子マネー化がかなり進んでいるし、日
本でもビットコインとかすごい盛り上がってるから、影響は大きくなりそう。


FullSizeRender


永井:最後に、マレーシアについて、尾林君のこれからについて何か一言お願いします!


尾林:マレーシアの良さは、誰でも、どこの国の人でも受け入れてくれるところです。マレーシアののんびりした雰囲気の中で過ごすと、嫌なこと忘れられる。特に就活の存在を忘れられた 笑 適性あることわかったので、もっと長い期間滞在してもいいかも?笑 


IMG_0874


IMG_0913


FullSizeRender


FullSizeRender


IMG_0876


FullSizeRender


今度の夏は、ゼミの先生と中国の地方に行くので、そこでまた新しい発見ができたらなって思います。今回、中国の内側ではなく外側から、マレーシアから中国を見れたことはすごく大きかったです。


FullSizeRender


今度マレーシアに来るときはシンガポールやタイ、ラオスとか東南アジアの複数の国にも行きたいです。自分の適正であったり可能性を広げる旅になりました。今回はありがとう!

永井:こちらこそ、ありがとう!また、どこか行こうね!




編集:永井

【Day 6】天国へ果てる前に

連載:マレーシア浮遊記

6日目。

今日が実質最後の旅行日。

朝、目覚める。


IMG_0337


う〜ん…お腹いたい〜…身体だるい〜…😭

やっぱり、無理に昨日夜ごはんの麺全部食べるべきじゃなかったな…

今日は、ヒンドゥーの聖地になっている、バトゥ・ケイヴへと向かった。

KL Sentral駅から乗り換えを探すが、線が見当たらない。探すこと1時間。ようやくシャトルバスを見つけた。

バスで隣に座っていたイギリス英語訛りの夫婦に聞いてみたら、その路線は今工事中で使えないとのこと。さっさと、人に聞きまくった方が早かった。。。

シャトルバスと鉄道を乗り継いで、到着。

FullSizeRender


うわっ、めっちゃ汚い…しかも超生ゴミくさっ…

至るところにゴミが散乱していて、ハトが異常に多い。汚臭がずっと漂っていた。

尾林君によると、ヒンドゥーの祭りが日曜あたりにあった模様。隅田川花火大会の後も無惨な光景が広がっているが、祭りの後は世界共通のようだ。後の祭りという諺はよく出来ている。

さっさと、悪臭を抜けて目的のパワースポットへ。

FullSizeRender
FullSizeRender
FullSizeRender
IMG_0367
IMG_0409

階段は280段くらいだったか。足場は相当悪い。そしてサルがいる。

FullSizeRender
IMG_0428

洞窟内部。生ゴミの臭いにさらにカビ臭が重なって、気持ち悪い。ミドリガメの水槽の臭いを凝縮した感じ。文章書いて思い出すだけで頭が痛くなってくる。さっさと、写真だけ撮って一刻も早くここを出たい。

FullSizeRender
IMG_0434
FullSizeRender
FullSizeRender
FullSizeRender
FullSizeRender
FullSizeRender
FullSizeRender
FullSizeRender
FullSizeRender
IMG_0414
FullSizeRender

FullSizeRender

FullSizeRender


娑婆に帰還。

FullSizeRender
FullSizeRender
FullSizeRender

IMG_0353

ふ〜、こっちが結局、落ち着くぜ〜…

本当、酷い思いしたな〜…

今回の旅行、もう少し効率良くできたよな〜…

頭がまだクラクラする。

ひと眠り。


夜。10時。マレーシアの10時は、日本でいうと体感的に8時くらい。

FullSizeRender


そういえば、マレーシア来てからまだドリアン食べてないよね?

ということで、食べてみることに。


FullSizeRender

悪魔の果実、ドリアン。
店員さんに薦められたものを購入。

尾林君は思い切ってかぶりつく。
筆者は恐る恐るひと噛み。

う…なんか餃子みたいなにおいする。。。

たしかに甘い。でも、舌が痺れる。
腐ってるんじゃない…?

尾林君は、身体が痒くなってきたらしい…

やめよう。


いやいや、金子先生は当たりハズレあるって言ってたしなあ…でも、正直、これはきつすぎる…


暑さ、湿度、臭い、

自分の身体の、五感が機能している。

思えば、今日行ったバトゥ・ケイヴも、入り口の門は色がなかった。白色。

聖地はカラフルな色彩を帯びていた。

日本的に言えば、前者はこの世。後者はあの世。

聖地はとても息苦しかった。臭い、湿度、汚いもの、そしてそこにある人間の活動。生きていること、それをまざまざと感じさせられた。

悪魔の果実、ドリアンも本当にきつかった。
悪魔との取引きなんて言うけど、これを美味しく食べるには、きっと金子先生みたいに普通でない世界に一度、思いっきり生きてみる必要があるのかもしれない。

マレーシアは、本当にいい国だと思う。ただ、マレーシアは天国ではなかった。きっと、まだ生きろということなのかもしれない。

マレーシアに来ても、自分は結局、日本にいた時と変わってない。自分より尾林君のほうが食べ物を美味しく食べているし、駅の名前や禁煙みたいなマレー語を覚えはじめて、確実に馴染んできている。

ただ、マレーシアにある現実を捉えること、捉えようとする姿勢は身に付いたように思う。

今日は悪いもの、汚いものばかりにとらわれていたが、マレーシアの旅はこれで終わり。

そのことを思うと、寂しくなってきた。
色々な人種。色々な人々。

そうだ、人間が積み上げてきたんだ。

アロー通り、みんな、生きている。

この人たちに会うこと、見ることさえも、二度とない。

そう思うと、シャッターを切る一瞬一瞬に重みを感じた。


IMG_0383
IMG_0390
IMG_0398
IMG_0389
FullSizeRender
FullSizeRender
IMG_0397
FullSizeRender

まだ、自分には五感が機能している。

生きている。

死について考えること、それよりももっと自明な生きること、そのことを天国は教えてくれた。

ならば、もっとこの娑婆を生きてみよう。

それはマレーシアでも日本でも同じだ。

死者にとっての極楽が天国であるように、生者にとっての娑婆(この世)が実は極楽なのだ。


執筆:永井

【Day 5】文明の漂着地

連載:マレーシア浮遊記

5日目。浮遊生活も、もうほぼ残り2日。

FullSizeRender


今日は遠出。電車を乗り継いで、バスターミナルへ。

チケット販売機で、パスポート番号が必要とあり、持ってなくて動揺。窓口で購入してみたら、大丈夫。名前書いてって言われて、結局、必要ないらしい。なんじゃいそれ。


IMG_0294


しかも、全然名前合ってないよー!!
いや、確かにあんまり綺麗に書かなかったけど、相方のばっちし合ってたよ!
そんなに自分の名前、現地に馴染みないのかしら。。。


FullSizeRender


行きのバスの中で、食べているプリングルス。何気なくコンビニで買ったこのジャンクフード。

しかしよく見ると、これには人類の文明の叡智がものすごい密度で濃縮されている。少なくとも、3つ以上。

1つは、アンデス文明。ポテト、ジャガイモはもともと南アメリカ原産で、大航海時代にポルトガルやスペインによって、ヨーロッパに持ち込まれてから世界中に広まった。

文明の利器といえば、乗り物。鉄道と車、それぞれイギリスとアメリカでそれぞれ発達を遂げた。あるいは船。オランダは造船技術と航海術によって、大航海時代後、世界に先駆けて早く遠くへモノと人を運ぶことができた。

商品としてこのようにパッケージングされ、規格化・大量生産されたのは20世紀アメリカ。大衆文化としてのアメリカンドリーム、消費生活の「夢」「欲望」は世界中に広がり、私たちは何時でも何処でも同じ味が手に入るようになった。


IMG_0229


そして、イスラーム文明。この「ハラルマーク」は、イスラーム法における「ハラル(許された)」を意味するもので、ムスリムの人にひと目でわかるように近代技術によって規格化されたものだ。マレーシアはこの「ハラル」を国家主導のもと、ハラル産業として分野の世界展開に取り組んでいる。

マレーシアという国の特性は、この東西文明が絶えず流動し交差する場所に位置しているところにあると筆者は思っている。

文明は開発されては、世界に広まっていく。そこに関わっているのは全て人間であり、人間がモノや技術、文化や文明を持って移動してきたことによって作られてきた。


FullSizeRender


世界遺産マラッカ。マラッカ海峡のそばで古くから海運の要衝として、文明の漂着地として栄えた。写真は中心のオランダ広場。


FullSizeRender

FullSizeRender


マラッカ王国は15世紀にイスラームを国教にした。ちょうど、その頃はムスリムの商人や旅人が世界で活躍していた時代でもあった。


IMG_0275


明の永楽帝時代、ムスリム宦官であった鄭和は南海大遠征を行い、マラッカ王国を訪れた。鄭和はさらに、ここからインド、ホルムズ、そしてアフリカへと向かった。


IMG_0293


マラッカは1514年にポルトガルに占領され、支配下に置かれた。その後、オランダ、イギリスの支配を受けた。

(生憎、今日は月曜日で博物館や歴史館の多くは休業だった。。。)

フランシスコ・ザビエル像。
後ろにあるのはセントポール教会。


FullSizeRender

FullSizeRender



歴史の教科書で御馴染みのザビエル。ポルトガル出身で、イエズス会の宣教師として、アジア各国に布教を行った。マラッカには、ザビエル教会もある。


FullSizeRender


イエズス会は、1517年のルターの宗教改革による影響もあり、非常にカトリック教会の危機感を感じており、宣教師たちは世界にキリストを布教するという、強いミッションを持って大航海時代の世界に乗り出していった。ザビエルもその1人である。


FullSizeRender


セントポール教会の建つ丘から見える、マラッカ海峡。ポルトガルからアフリカ、インドなどを経て、ザビエルはここに到着した後、日本へと向かう。その後、マカオで彼は息を引き取ることになり、日本が自身の最後の布教地となった。

彼は、どのような思いでこのマラッカを出たのだろうか。先の見えない未来に、故郷を離れ全く情報もない謎の国ジパングに流れ着いて、どれだけ自身のミッションを貫き通したのか。

東から西へ、西から東へと向かったひとびと。人の出会いと、文化の交差。文明の広まり。私たち観光客は、彼らにどれだけ支えられて今の生活をしているのだろうか。

以下、マラッカの街並み。華僑の文化とマレーの文化が混ざった、プラナカンの文化がとてもユニークだ。


FullSizeRender


IMG_0246


FullSizeRender


FullSizeRender


FullSizeRender


IMG_0271


IMG_0272


帰りのバス。


FullSizeRender


19:26。マレーシアの日が沈んでいく。

日出ずる国、日本はとっくに日が沈んでる。

FullSizeRender


バスを見渡す。色んな人がいる。彼らは、どこから来たのか。そして、これからどこに向かうのだろうか。同じように旅をしている人もいれば、帰る家もない人もいるのだろうか。

漂流。そんな言葉がふと頭に浮かんだ。

隣でぐっすり寝ている、尾林君。5日間彼とここまで過ごしてきた。彼が今考えていることは読めても、過去まで、彼の人生まで知らない。どんな経験をしてきたのか。子供時代、辛いことがあったのだろうか。そして、筆者に誘われなければ、人生で来ることはなかったのだろうか。

生まれる国、地域、場所、両親。これらを選択肢することは出来ない。人生、どんな出来事や出会いがあるかわからない。人間は、みな漂流している。絶えず流動している場所に来ているか、流れの緩やかな淀みに流れ着いたか、その違いだけ。


FullSizeRender


とても不思議。そして、静かな感動。

自分の足下が、乗っているバスが、現在いるマレーシアという国が、世界がとけていく。


FullSizeRender


溶ける、解ける、融ける。私の感覚を説明できる言葉は見つからない。少なくとも、iPhoneのキーボード予測では。


FullSizeRender


文明に漂流している自分は、日本から、マレーシアから、どこに流れ着くのだろうか。


執筆:永井




【Day 4】極彩色の無常

4日目。


FullSizeRender


冷房の効き過ぎで、お腹が冷えて超痛い。

しかも身体と頭が重い。超超調子悪い。

マレーシアに来てから刺激の多い食事をしてたせいで、すごい胃も心も疲れてる感じ。ナシ・ゴレンとか、中華焼きそばみたいなやつとか、フルーツジュースとか、カレーとか、お腹の中めっちゃカラフル。南国パラダイス。まさに、多様性のマレーシア。

いや、本当に食べ物はすっっごく美味しいのね!どこで食べても基本ハズレないし。
ただ、刺激が強すぎるんよん…味付けのスパイスが、春はあけぼの〜みたいな、のほほん日本人には季節3周して夏帰ってくるみたいな感じ。

昨日のライムジュースの甘さといったら。まぢありえへん。。。いや、店のケースの残り少ないから、味濃いかな〜って一瞬予感したら、やっぱ超濃厚。ポカリの粉末の粉飲んでる感じ。ほんと最悪。。。

それと、今日行こうと思っていた、マレーシアフィルハーモニーオーケストラの席が満席で取れなかった。ドレスコードの規則も厳しかったし。今日することがなくなってしまった。はあ。

今日は、休養日。臨時休業。

仕方ない、近くにあるカフェに行って、読書とか論文の執筆をすることに。(まだ英文要約してない(絶望))


IMG_0203


スタバをもっとアンティークに、お洒落にした感じ。(あーもう写真めちゃくちゃだよ)


FullSizeRender


カフェはヨーロッパ系の人、中国・韓国人が多い。滞在してる人が多そう。勉強したり、パソコン作業していたり。そういう環境に自分置いとくだけで、自分がめっちゃ可愛く見える。

あー、なんか、世の女性がとりあえずスタバ行って、あまーいフラペチーノ飲みながら勉強とか仕事する気持ち、すっごいわかる。疲れてる中わざわざカフェ来てて、ちょっと雰囲気良くてカラフルな甘い物で癒されて、私仕事頑張らなきゃって思うもん。


FullSizeRender


そんなわけで、自分もiPhone 4とKindleで作業。結局、iPhone6はマレーシアに来て以降ずっと使えない…せめてKildleに論文入れといてよかった(Kindleで論文は編集できない…)


IMG_0196


コーヒーきた。Long Black。エスプレッソ。超苦い。10分経っても1cmくらいしか減らない。店員のお兄さんがめっちゃ気遣ってくれて、優しい言葉言ってくれたから、嬉しくて泣けるから全然良いんだけど。英語だったから何言ってるか全然分かんなかったけど。

あー、頭もすごいぼーっとして、結局全然作業進まない。お腹ずっと痛いし調子悪いし死にため。

やば、メンヘラ感っぽい文章ってこうやって書けるんだ。やばめ。まじ卍。


FullSizeRender



超だるいけど、ショッピングモールに行ってみることに。ブランド品をウインドウショッピングするの嫌いじゃない。


IMG_0204


ブキ・ビンタン駅前のショッピングモール。めっちゃ、中国人ウェルカム。真っ赤な装飾と春節おめでとうの歌、大勢の中国人観光客。


FullSizeRender


GUCCIとかCOACHとかから、ユニクロ、極度乾燥まで、何でもある。ない大型有名ブランド探すほうが大変そう。


FullSizeRender


レストランも地元マレー料理から、中華料理、寿司やとんかつ、ハンバーガー。お金さえあれば、1日中ずっと飽きずにいられる。わざわざ、暑い外出る必要ないもん。

マレー系の客もいたけど、中国人が圧倒的。欧米人は全くいない。


FullSizeRender


ちなみに、北千住の駅ナカとかにあるBakedは、ここではHOKKAIDOって店名になってる。しっかり中国人向け仕様。



いや、本当に不思議。中国人だけしかほぼターゲットにしてない。地元の華人系の人とかが運営してるにしろ、ここまでとは。。。

しかも、まだ春節迎えてないのにこの人数って。日曜日なこともあるけど。春節になったら、どうなってしまうのだろう。。。レストランとか、3時間待ち…?


FullSizeRender


真っ赤な装飾を見てたら、何も買う気が起きなくなった。元々買うつもりなかったけど。

ジョホール州で建設が進められているフォレストシティとか、本当に人数集まるのかな?中国人の観光客も、ルーティン化されたショッピングモールツアーに飽きるんじゃないのかな?


FullSizeRender


煌びやかなモールに悪酔いしてしまい、結局、まっすぐ帰った。ファッショナブルなパステルカラーものは、自分にはすごい重い。


FullSizeRender


建築家の原研哉は、日本人の美意識はシンプルではなく、emptyにこそあると言っている。(うろ覚え)empty、つまり、空白。空っぽ。


筆者はやっぱり原研哉さんの考えにすごい共感できる。松尾芭蕉的な無常観ある世界観が好きだ。

夏草や 兵どもが 夢の跡

「明日死ぬなら、今日何をしたいですか?」と同じことだと、筆者は解釈している。
結局、人間は生まれた以上あとは死ぬだけだ。未来でたったひとつ分かることは、死ぬということだけ。その事を自覚して生きていくからこそ、世界はつまり「無意味」「空っぽ」であることに気づく。

村上春樹の小説、色彩を持たない多崎つくるも死ぬことばっかり考えてた。でも、アオとかアカとか、文字通り「色々」な人との出会いで、生きることを決めた。



昨日はもう存在しない。旅行も人生も、いつか終わる。飛び立ったら、着陸する。

今日は、すごい調子悪かったが仕方ないさ。明日がある。ゼミ論が上手くいかなくても、今度卒論がある。死にたい、それこそがまさに生きていく上での一番の生きがいなのだから。色々なこと全部で、人生。全部、燃やして輝いていこう。


ところで、お腹の極彩色(つわもの)はさっさと消化されて、夢にならないのかな…?辛ぽよ。。。


執筆:永井

【Day 3】遠くへの欲望

3日目。マレーシアの高温多湿な気候によって、思考力や判断力がどんどん散漫になって鈍っている感じ。動こうと思っても、暑いから、本当やる気がなくなる。

少し、計画的に行動しようということで、今日は、朝6時に起きてペトロナスツインタワーに向かった。


FullSizeRender


7時30分。タワー前に到着。金属の重厚感と凸凹した表面がやはりこのタワーの異彩さを体現している。


IMG_0174



公園側に回ってみる。クアラルンプール市内のいたるところで、中国の旧正月である春節を迎える準備がされている。


FullSizeRender


中国の消費への欲望は留まるところを知らない。かつては、日本が海外でブランドを爆買いしていた。その少し前はイギリスがその立場だった。将来は、インドの破壊の神「シヴァ神」がここに来るのだろうか。


FullSizeRender


9:00。入場券は事前予約を済ませていたので、スムーズにタワーまで入ることが出来た。たぶん、昼間はもっと混みそう。朝早くから行動しているのは欧米系の人ばかり。


IMG_0167



東京タワーもスカイツリーも登ったことはないが、正直、そこまで高さは感じなかった。それよりも、近代的なシンプルさと幾何学を組み合わせたこの建物は異彩を放っていると感じた。


IMG_0164


後半。

13:00~16:00までひと眠りした後、Masjid Jame駅からチャイナタウンとMasjid India周辺を散策した。


IMG_0149


駅周辺は工事ばかりで、足元が非常に悪かった。また作業していたのはほとんどインド系の人たちだった。
以前何かの番組で見たが(たぶんnhk bs)、ニューヨークのタクシードライバーの90%は現在南アジア出身らしい。ニュースでたびたび、UBERなどの新しいテクノロジーの登場でタクシーが無くなると言われれいたが、単に職種に階級差が生まれただけなのでは、と色々合点した。


IMG_0150


チャイナタウンは、外観は横浜の中華街や御徒町を連想させるものだったが、入ると溢れんばかりの偽ブランド品を揃えた露店が軒を連ねていた。中華料理を期待していたが、どうやら金を持っていない日本人の需要は必要ないらしい。


FullSizeRender


チャイナタウンで麺料理を注文。


IMG_0129


尾林君は辛い方を頼んでいた。少し貰ったが、青唐辛子が大量に使われていてやはり辛い。となりのチリソースの緑色も青唐辛子。見た目に騙されてはいけない。


FullSizeRender


近くにインドの寺院があったので見学。


FullSizeRender


シヴァ神?と思われる神様が祀られている。

FullSizeRender


破壊の神として知られているが、足のポーズはインスタグラムの女子大生と同じで軽やかだ。


FullSizeRender


手のポーズも、一見すると「Go to H○○」に見えなくもない。人間の表象は、面白い方へ、高い方へと常に導かれるようだ。


FullSizeRender


Masjid India 周辺のナイトマーケット。土曜日ということもあってか、大盛況となっていた。マレー系の人たちが9割近くいたような感じがする。

かつて、マレー系は華僑との格差がかなり開いていたという。しかし、ここの市場の活況や街を歩いているマレーの人々の落ち着いた様子を見ると、現在の豊かさを感じる。


FullSizeRender



千と千尋の神隠しで、千尋のお父さんとお母さんが食欲に駆られ豚になってしまうシーンを思い出す。マレーシアは豚は食べないと思っていたが、中国料理は豚肉を沢山使っていた。でも、宮崎監督は「紅の豚」とかあったし、悪い意味で使ってるわけじゃないよなと思い直す。何より、この目の前の賑わい、活況を見ていると、こちらまで何か楽しくなってくる。

マレー系の人はやる気ないと言われている。確かにやる気なさそう。仕事とか割といい加減。対応もそっけない。泊まってるとこのゲストハウスの管理人さんも、夜中テレビと話して大声で笑ってる。壁薄いから、部屋まで甲高い笑い声が超聞こえてくる。

こっちも全然期待してなかったので、むしろ部屋が綺麗でエアコンも完備ですごい快適に過ごしてる。尾林君は部屋でずっとドヴォルザークの弦楽四重奏「アメリカ」をiPadで流しながら指揮してぶつぶつ歌ってる。日本と変わらない生活をしている。



FullSizeRender


交流文化のツーリズム文化論で習った、旅行の2つの概念を思い出す。「tour」と「travel」の違い。「tour」は貴族の青年がローマなどを巡って見聞する「grandtour」から来ている。「travel」はフランス語の「travail」にもあるように、「働く」をもともと意味する言葉だ。昔も外部から時々来る正体不明の人は、「ガイジンさん」みたいな感じだったのだろうか。


観光学では、旅行とは「楽しみのための旅」と定義されている。

部屋に戻れば相方はすぐにスマホとiPadをいじって面白動画やツイッターなどを見て1人で笑っているし、食べ物や慣れない環境にいることを除けば日常的な生活をしている。旅の楽しみとは、ヴェブロンの言う「誇示的消費」への欲望に内包されている。つまり、尾林君のように、ブランド品ではなく日常の面白さや楽しさといった精神的な価値を求めている。今後はお金を沢山持っていることから、ブランドや個人の面白さといった価値へ、新たに人間は欲望を高めていく。


国民国家、日本人、国民統合、中国系、マレー系、インド系。金子先生が著書で言ってた内容の一部がぼんやりと頭に浮かぶ。

https://www.amazon.co.jp/マレーシアの政治とエスニシティ―華人政治と国民統合-金子-芳樹/dp/4771012636

この辺はブログでやれるほど、理解できてないので説明できない。要するにマレーシアでは外国人がいるのが当たり前であるということ。それだけは感じた。そして、こうした人種ごとの欲望の差が、今後の世界の建造物やGDP指標に高く、果てしない規模となって現れてくるのだろう。


執筆:永井
記事検索
  • ライブドアブログ